記事
速報
無口で厳格だった父の遺品整理中に見つけた古い手帳。中には、家族の誰にも見せたことのない父の言葉と、私の成長を記録した几帳面なメモが並んでいた
2026/08/19

父の遺品整理をしていると、古びた手帳が出てきた。

三年前に他界した父は、口数の少ない人だった。褒められた記憶も、ほとんどなかった。仕事一筋で、家では新聞を読んでいるか、黙ってテレビを見ているだけの人だった。夕食の席でも、会話らしい会話はほとんどなく、私は反抗期の頃、父のことを苦手だと感じていた時期もあった。

手帳の表紙は擦り切れて、角が丸くなっていた。

広告

何気なくページをめくると、几帳面な字が並んでいた。

「四月八日 息子、入学式。緊張した顔で立っていた」

私が覚えている限り、父は入学式に来ていなかったはずだった。母から、父は仕事で来られなかったと聞かされていた記憶がある。それでも、日付と共に細かく記録が残されていた。

「六月十二日 息子、初めて自転車に乗れた」

忘れていた出来事まで、正確に書かれていた。あの日、公園で何度も転んで、最後にようやく漕げるようになった瞬間を、父は少し離れた場所から見ていたのだろうか。そういえば、あの日だけ父が仕事を早く切り上げて帰ってきていたことを、うっすらと思い出した。

ページをめくるごとに、知らなかった父の姿が見えてきた。

広告

就職の内定が決まった日、結婚式の日、子どもが生まれた日。節目ごとに、短い一文が添えられていた。

「三月三十日 息子、就職決まる。安心した」

「十月十日 息子、結婚式。立派になった」

どの言葉も飾り気がなく、それでいて、確かな喜びがにじんでいた。父の口から、そんな言葉を聞いたことは一度もなかった。

最後のページには、私宛てとだけ書かれていた。

「大きな声で褒めてやれなかった。不器用な父ですまなかった。お前のことは、いつも見ていたつもりだ」

日付は、亡くなる少し前だった。

そこに書かれていた言葉を、私は何度も読み返した。目頭が熱くなって、しばらく手帳を閉じることができなかった。

父が入学式に来ていなかったと聞いていたのは、母の勘違いだったのか、それとも遠くから見ていただけだったのか、今となっては確かめる術はない。

広告

それでも、父が私の人生の節目を、一つも見逃していなかったことだけは分かった。

不器用で、言葉少なだった父。その分だけ、手帳の中には、言えなかった思いがぎっしりと詰まっていた。

子どもの頃、父にもっと話しかければよかったと、今さらながら思う。同じ屋根の下にいながら、私は父のことをほとんど知らないまま大人になってしまった。

今度、実家の近くにある父の墓を訪ねたら、初めて自分から声をかけてみようと思う。手帳を見つけたことを、そして遅れて気づいたことを、伝えたい。

広告

毎月届く携帯料金の請求書に、先月と同じ1万2000円という数字が印字されていた。「そんなに使うことあったっけ」という妻の一言をきっかけに、私は契約内容を初めてじっくり確認してみた。
2026/08/19
運動会でシャッターを切ろうとした瞬間、画面に「容量がいっぱいです」の表示が出て、子どものゴール直前の一瞬を撮り逃した。悔しさのまま帰宅した私は、スマホの写真フォルダを開いてみた。
2026/08/19
実家の母のスマホを手に取ると、着信履歴に知らない番号からの着信が1日で20件近く並んでいた。「何度か出ちゃったわ」という母の一言に、私は迷わずある設定を確認することにした。
2026/08/19
沖縄旅行で兄嫁「タクシーは家族だけ。寄生虫は歩けw」私「了解♪」ホテルに着いた直後、兄嫁が泣きながら電話してきた理由とは…
2026/08/19
年金暮らしの私に、長男夫婦が絶縁を切り出す「もう関わらないでほしい」、私「本当にいいのね?」、後日、長男夫婦の生活が崩壊することに...
2026/08/19
私が父から相続した3000万の遺産を勝手に義両親と義妹に援助した夫「全額あげたw文句あるなら離婚な」→キレた私が夫を徹底的に追い込んだ結果www
2026/08/19
定年退職した夫が突然「一人で家を出て、絵を描いて暮らしたい」と言い出した。屋根裏で見つけた古いスケッチブックが、四十年前に諦めた夢を静かに物語っていた
2026/08/19
母の遺品整理で見つけた一枚の古い写真。裏には家族の誰も知らない「みちる」という名前が書かれていた。叔母に尋ねて分かった、母が六十年間誰にも話さなかった秘密とは
2026/08/19
手取り12万のくせに嫁の貯金で勝手に二世帯住宅を購入して姑と同居するマザコン夫「文句あるなら離婚だぞw」→嫁が速攻で出ていくと泣きながら追いかけてきた…www
2026/08/19
勝手に預金通帳を持ち出したアフォ娘、それを利用していたクズ夫は、浮気相手との逃避行の為だった→事実を知った娘の落胆とその人生の顛末が...
2026/08/19
私「親もいい年だし年末年始は実親のもとに帰省したい」夫「嫁は夫の実家を優先するもの!」私「じゃあ娘が将来結婚してもうちに帰省させないんだ?」夫「そ、それは~…(目泳ぎ」
2026/08/19
孫をお風呂に入れていた私に、幼い孫「おばあちゃんは本当は…」娘しか知らないはずの話を聞いた瞬間、私は荷物をまとめ日本行きの便を予約した
2026/08/19
夫「俺をもてなせ!仕事辞めろ休むな!!」医者の私を支えてくれた彼が結婚したら亭主関白ぶりはじめた→1日4時間のバイトしかしてないのに私に家事に専念しろと言うので…
2026/08/19
私「合鍵渡してないよね?」夫「えっとぉ…その…」夫が義母に合鍵を渡して私の不在時に家に出入り→勝手に寝室に入られたり洗濯物に触られたりして嫌なので鍵を変えるとまた
2026/08/19
義母「息子から合鍵貰ったの!これで入り放題w」「⋯」昼夜問わず育児を横取りしようとする義母。居留守を使ったら数分で警察に通報された。夫にクレーム→「鍵くらいいいじゃねーかw」
2026/08/19
子供4人を連れて帰省した義妹 「布団足りないから物置で寝て」無言で荷物をまとめる私「では私も実家に帰ります」 義実家一同「え?待って・・・」
2026/08/19
私の退職金が気になって仕方がない夫「いくらあるんだ?」私「3000万くらいかしら…通帳はいつもの場所よ」→翌朝、夫と通帳が消えた。私「待ってたわ」実は…
2026/08/19
同窓会で俺を見下すヤクザ組長息子の同級生「イキってグレた中卒は無職だろ?w俺の組に入るか?wヒョロガリには無理かw」後日、同級生に連れられ組事務所に行くと俺を見た幹部達が整列し最敬礼…
2026/08/19
10年通っている美容室の予約表に、私の名前だけが見当たらなかった。「本日のご予約、確認できません」と言われ困惑する中、担当の美容師が確認すると、思いがけないシステムの誤りが見つかった。
2026/08/19
アルバムを整理していると、長男の結婚式の写真だけが何十枚も貼られ、次男のページには数枚しかなかった。次男の妻から「うちは何も出してもらえなかったんですね」と言われ、私は当時の記憶をたどり始めた。
2026/08/19