昔、わが家の庭では1匹の犬を飼っていた。
犬小屋の前に長いリードをつなぎ、日中は庭の中を自由に動けるようにしていた。
普段は穏やかで、私と姉が外へ出ると、尻尾を振りながら駆け寄ってくる犬だった。
ある日、非常に強い台風が接近した。
朝から雨が激しく、風が吹くたびに家の窓がガタガタと揺れた。
学校は午後から休校になり、私と姉は早く帰宅した。
親はまだ仕事から戻っていなかった。
本来なら不安になる状況だったが、当時の私たちは台風の恐ろしさを理解していなかった。
「せっかく学校が休みになったんだから、アニメを見よう」
私たちは給食の代わりにお菓子を持ち出し、テレビの前に座った。
外では木々が大きく揺れていたが、家の中にいる限り安全だと思い込んでいた。
庭の犬についても、ほとんど気にしていなかった。
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