その朝、私は仕事へ行く準備を終えたまま、部屋の床にうずくまっていた。
着替えも済ませ、バッグも用意してある。
あとは家を出て、電車に乗るだけだった。
それなのに、玄関へ向かおうとすると胸が苦しくなり、体から力が抜けてしまった。
「電車に乗れないって……仕事休むの?」
母の声にも、すぐ返事ができなかった。
事情を理解できず困っている母は、それでも私を責めなかった。
「車で連れて行こうか?」
職場までは車で40分以上かかる。
母も昼から仕事があるのに、成人した私をわざわざ送ろうとしてくれていた。
情けなさと申し訳なさで涙が出た。
それでも、自分ではどうすることもできず、私は母の車に乗った。
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