「髪切ってあげますよw」そう言って笑った息子嫁。バリカンの音とともに、私の誇りも切り刻まれた――。しかし翌朝、私が全財産を持って姿を消したことで、息子夫婦の生活は一変することになる。
夜の十時過ぎ。古びた台所には、蛍光灯の低い音だけが響いていた。
水野千鶴、六十七歳。元一流ホテルのチーフコンシェルジュだった彼女は、夕食の片付けを終え、最後の皿を静かに水切りカゴへ置いた。
腰は痛み、膝も悲鳴を上げている。それでも千鶴は毎日家族のために動き続けていた。
そんな時だった。
階段の陰から聞こえてきた声に、千鶴の手が止まった。
「お母さんの髪、本当に気持ち悪いんだけど」
声の主は、息子・大輔の妻、里奈だった。
普段は「お母さん、助かります」と笑顔で接していた嫁。しかし今聞こえてくる声は、別人のように冷たかった。
「今どき長い髪なんて古いですよね。もう介護される側なんだから、自覚してほしいわ」
千鶴は息を潜めた。
まさか、自分が家族からそんなふうに見られていたなんて。
そして、さらに胸を突き刺す言葉が聞こえた。
「まあ、確かに不潔だよな」
息子、大輔の声だった。
千鶴は信じたかった。
大輔だけは、自分の味方でいてくれると思っていた。
幼い頃、病気の時には夜通し看病した。
学校の行事にも欠かさず参加した。
大人になってからも、困った時には必ず支えてきた。
しかし、大輔の次の言葉が、千鶴の心を完全に打ち砕いた。
「明日、バリカン買ってきたら?どうせ外にも出ないんだし、丸坊主でいいだろ」
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=aX6ibYxrkLU,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]