「お義母さん、帰ってくれませんか?今日の結婚式にあなたの席はないんです」
控室の空気が凍りついた。純白のドレスに身を包んだ美穂が、蔑むような冷たい視線で私を見下ろしている。傍らに立つ一人息子の健一も、私と目を合わせようともせず、面倒臭そうにため息をついた。「母さんみたいな貧乏くさい格好の人がいたら、田中家の恥になるんだよ」。
私が手塩にかけて育ててきた息子は、こともあろうに、目の前にいる実の母親を「すでに他界した」ことにしていた。美穂の両親である田中夫妻も現れ、母親の恵子は私の着古した留袖をあからさまに値踏みし、「パートのおばさんがうろうろしては格式が下がる」と鼻で笑った。足元に投げ捨てられたのは、数千円が入った「お車代」の封筒。私はそれを拾うこともせず、静かに会場を後にした。
しかし、彼らは何も分かっていない。健一が軽蔑し、美穂の父・田中正雄が「自分の勤める会社の常務だ」と威張るその「鈴木グループ」の総帥が、他でもないこの私であることを。
ロビーに出た私は、震える手でバックからスマホを取り出し、グループ専務へ一本の電話を入れた。
「田中正雄の不正を全て洗え。十分後に全てを終わらせる」。
十分後、披露宴会場は地獄絵図と化した。専務からの報告により、田中正雄がグループの資金を長年不正流用していた決定的な証拠が、会場のスクリーンに大写しされたのだ。会場の照明が落ち、正雄の汚職の記録や、愛人との情事、会社のお金で買い漁った贅沢品の領収書が次々と映し出される。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=uqVJiVrjYGw,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]