都内屈指の高級ホテル。華やかなシャンデリアが輝き、白を基調とした美しい装飾が施された結婚式場には、新郎新婦を祝うために多くの招待客が集まっていた。
その日、由美子は誰よりも穏やかな気持ちで会場へ向かっていた。
なぜなら、この結婚式は息子・健太の人生で一度きりの大切な日だったからだ。
由美子は健太のために、これまで惜しみなく支えてきた。
大学と大学院の学費、起業資金、マンション購入時の援助。そして今回の結婚式も、自分が長年築いてきた人脈を使い、最高の式になるよう準備してきた。
しかし、受付で渡された一枚の札を見た瞬間、由美子の表情は凍りついた。
「関係者以外立ち入り禁止」
自分の息子の結婚式で、まるで他人のような扱いを受けたのだ。
呆然としていると、控え室の奥から聞き覚えのある声が聞こえた。
「お母さんの席? ああ、用意してありますよ」
それは健太の妻、香織の声だった。
「床にゴザ引いて、体育座りで十分でしょう」
笑い声とともに、信じられない言葉が続いた。
「お母さんみたいな庶民の血が混じると、式の格式が下がるんです」
由美子は耳を疑った。
いつも「お母さん、助かります」と笑顔を向けていた香織。その姿はもうどこにもなかった。
さらに追い打ちをかけたのは、息子・健太の言葉だった。
「母さん、もう若くないんだし……地べたの方が楽だろ」
その瞬間、由美子の胸の奥で何かが静かに壊れた。
自分は何のために頑張ってきたのか。
五百万円を超える起業資金。一千万円の住宅援助。八百万円以上の学費。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=9pxCYjOSwYE,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]