招待状が届いたのは、四年ぶりの春だった。厚手の封筒に金色の箔押し。差出人は、元夫の母——つまり元義母。封を切った瞬間から、嫌な予感が肌にまとわりついた。
「ぜひご出席ください。お席をご用意しております」
文面は丁寧だったが、そこに温度はない。私は理解していた。これは祝福の招待ではない。私を笑いものにするための舞台だ。四年前、元夫は浮気相手と一緒になり、私は追い出されるように離婚した。
あの家族は最後まで、私を「役に立たない嫁」と決めつけ、私の人生が崩れる様子を娯楽にしていた。
それでも私は出席を決めた。理由は簡単だ。逃げれば、彼らは「やっぱり惨めだから来られない」と勝ち誇る。私はもう、彼らの勝手な物語に従うつもりはなかった。
当日、私は小さな手を三つ握った。四歳の三つ子——同じ顔をした二人と、少しだけ目元が違う一人。揃いのフォーマル服に身を包み、髪を整えると、三人は無邪気に「おでかけ?」と聞いてきた。私は笑って答える。
「大切な挨拶に行くの。迷子にならないでね」
式場は、元夫の家族が大好きな“見栄”の象徴だった。白い花で埋め尽くされたチャペル、巨大なシャンデリア、プロの演奏。
受付の女性が私の名前を確認した瞬間、わずかに口元を歪めたのを私は見逃さなかった。
「……ご本人様ですね。こちらへ」
案内された席は、最前列ではない。だが見える位置にある。まるで「観客席」のように。周囲の視線が刺さる。囁き声が波のように広がる。
「来たよ、元嫁」
「え、子ども連れてる……?」
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください