夫と一緒に楽しみにしていた旅行。私たちは久しぶりの旅行にワクワクしており、思い切ってグリーン席を取った。新幹線の車内は広々としていて、座席も快適で、最初から快適な旅の始まりを感じていた。お昼も過ぎ、私はちょっとした用事でトイレに行くことにした。
「ちょっと行ってくるね。」
そう言って席を立ち、トイレに向かった。しかし、トイレから戻ってきた私は目を見開いた。
夫がいない。座席にも、周囲を見回しても、どこにも彼の姿がないのだ。
「え、どこ行ったの?」
私は慌てて座席の周りを探してみたが、やはり夫の姿は見当たらない。どう考えても、トイレに行った私よりも先に立ち去った様子はなかった。驚いた私は、急いでスマートフォンを取り出し、夫に電話をかけることにした。
「もしもし?」
電話がつながると、彼の少し困ったような声が聞こえてきた。
「え? どこに行ったの? さっき席にいなかったよ?」
私の声には焦りがこもっていた。だって、まだ出発して間もないのに、突然どこかへ行ってしまったなんて、考えたこともなかった。
すると、夫はちょっとした間をおいてから、ゆっくりと答えた。
「いや、ちょっと気になってトイレ行ったら、どんどん前に行けちゃって…気づいたら、もう車両が違うところに来てた。」
「えぇっ!? どういうこと!? じゃあ、今どこにいるの!? 新幹線の車両が違うって、どうしてそんなことになってるの?」
私の焦りは増していった。旅行で楽しみにしていたのに、夫がどこかに消えてしまうなんて、想像していなかった。
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください