月に一度、私は夫の実家で夕食をすることになっていた。
夫の母、つまり義母との関係は、表面上だけ見れば普通の嫁姑関係だった。
周囲から見れば、優しく息子思いの母親。
夫の高橋も、ずっとそう信じていた。
「母さんは悪気がある人じゃないよ」
何度もそう言われた。
でも、私は知っていた。
義母が私にだけ向ける、小さな悪意の数々を。
最初は、本当に偶然だと思おうとしていた。
ある日の夕食。
義母は笑顔で私に茶碗を渡してきた。
「はい、これ真紀さんの分ね」
「ありがとうございます」
受け取った私は、すぐに違和感を覚えた。
夫や義父のお茶碗には、ふっくらした白いご飯が盛られている。
しかし、私のお茶碗の底には、まるで隠すように焦げた硬い部分が押し込められていた。
「今日のお母さんがよそってくれたご飯、私のだけ硬いところだったんだけど……」
そう夫に言うと、高橋は面倒そうに答えた。
「そんなの気のせいだろ」
その一言で終わった。
また別の日。
義母が私にだけ手渡してきた煮物。
「真紀さん、これ好きでしょ?」
一見すると普通の煮物だった。
しかし、よく見ると私の皿だけ明らかに違っていた。
具材の中で一番楽しみにしていた肉が、ひとつも入っていなかった。
夫の皿には大きな肉が何個も入っているのに。
「私のだけ、お肉入ってないみたいなんだけど」
そう言うと、義母は不思議そうな顔をした。
「え? 偶然じゃない?」
そして、夫も。
「また被害妄想か?」
そう言った。
私は何も言えなくなった。
嫁という立場で、食事に文句を言うなんて意地汚いと思われるのが怖かった。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=3-B1sN2RJfY,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]