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ASDでほぼ不登校の10歳娘。真っ白なシール帳に貼られたのは、たった1枚だけ→唯一話せる同級生が別室登校の日に渡した理由を知り、涙が止まらなかった
2026/08/25

ASDのある10歳の娘は、ほとんど学校へ行けていない。

教室に入ると大勢の話し声や椅子を引く音が一度に耳へ届き、体が動かなくなってしまう。誰かに話しかけられても、言葉が頭の中で絡まり、返事ができない。

「おはよう」の一言さえ出せず、泣きながら帰った日もあった。

そんな娘の机には、真新しいシール帳がある。

流行のシール交換をしてみたいと言うので買ったものだ。

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しかし、どのページを開いても真っ白だった。

ただ1か所を除いて。

そこには、小さなボンドロシールが1枚だけ貼られている。

それは、娘が学校で唯一話せる同級生の女の子からもらったものだった。

その子は無理に返事を求めない。

娘が黙っている日は、少し離れた席で絵を描いて待ってくれる。話せそうな日には、「今日は猫と犬、どっちが好き?」と答えやすい質問をしてくれる。

ある日、娘は別室登校に挑戦した。

ところが廊下で数人の児童とすれ違った瞬間、立ち尽くしてしまった。

「どうしてしゃべらないの?」

「無視してるの?」

そんな声が聞こえ、娘の手が震え始めた。

すると、その女の子が前に立った。

「無視じゃないよ。

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話せるまで時間が必要なんだよ」

そう言って娘を別室まで連れていき、帰り際にシールを1枚差し出した。

「今日はここまで来られた記念」

娘は声を出せなかった。

それでも両手で大切に受け取り、家に帰るとシール帳の最初のページへゆっくり貼った。

翌朝、私は娘が机に向かっている姿を見つけた。

小さな紙に何度も文字を書いては消している。

そこには、「ありがとう。

次は私から渡したい」と書かれていた。

娘はお気に入りのシールを1枚選び、封筒に入れた。

しかし、学校の玄関まで行くと足が止まった。私は「今日は帰ってもいいよ」と伝えた。

すると娘はしばらく黙った後、首を横に振った。

別室に入ると、あの子が待っていた。

娘は言葉の代わりに封筒を差し出した。

女の子が中を見て笑うと、娘は小さな声で言った。

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「ありがとう」

たった5文字だった。

けれど、娘にとっては長い廊下を1人で歩くほど、大きな一歩だった。

それからも、登校できない日はある。教室で大勢と話せるようになったわけでもない。

ただ、週に1度だけ別室でその子と会い、シールを交換するようになった。

真っ白だったシール帳には、少しずつ色が増えている。

最初のページにある1枚は、珍しいから大切なのではない。

「話せなくても、あなたを待っているよ」

娘にとってそのシールは、初めて誰かから受け取った、言葉のいらない友情の証なのだ。

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