雪がちらつく真夜中の田舎道。
街灯もほとんどない山道で、一台の古びた車が突然動かなくなった。
「参ったな……こんな場所で止まるとは思わなかった」
ハンドルを握っていた老人は、何度キーを回しても反応しないエンジンを見つめ、小さくため息をついた。
周囲には誰もいない。
携帯電話の電波も弱く、次の町まではかなり距離がある。
「歩いて行くしかないか……」
そう覚悟した瞬間だった。
遠くから一台の軽トラックの明かりが近づいてきた。
「大丈夫ですか?」
声をかけてきたのは、若い整備士の青年だった。
寒さで震える老人を見て、青年は迷うことなく車を降りた。
「こんな夜にここで動けなくなったら危ないですよ。少し見せてもらえませんか?」
老人は驚いた。
「君に分かるのかい?この車はかなり古い。もう交換部品もないかもしれない」
青年はボンネットを開け、丁寧に状態を確認する。
「燃料ポンプかもしれません。それに配線もかなり劣化していますね。この寒さで接触不良を起こした可能性があります」
老人は目を丸くした。
「若いのに詳しいんだね」
青年は少し照れながら答えた。
「小さな整備工場をやっています。父が残してくれた工場です」
青年の名前は佐々木啓太。
両親を早くに亡くし、中学卒業後から弟のコータを養うため、整備士として働き続けてきた。
工場は古く、設備も十分ではない。
客も減り、借金だけが増えていた。
それでも啓太には守りたいものがあった。
父が残した工場。
そして、大学進学を夢見る弟のコータだった。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=uMIGf-AInFE,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]