包丁研ぎで最も神経を使う場所は、刃元でも平の部分でもない。多くの人が失敗しやすいのは、切っ先に向かってなだらかに曲がる「反り」の部分である。
堺一文字光秀の研ぎ師・渡辺氏は、この反りについて「プロでもかなり気を使う」と語る。なぜなら、砥石の動きは基本的にまっすぐだからだ。平らな砥石の上で直線的に包丁を動かすのに対し、包丁の先端はカーブしている。
つまり、いつもの手の動きのまま研げば、曲線は少しずつ崩れていく。
その結果、よく起こるのが「コンコルド」や「逆反り」と呼ばれる状態だ。切っ先の自然なアールが消え、刃線が不自然に直線化したり、逆にえぐれたような形になってしまう。一度こうなると、仕上げ砥石だけで元に戻すのは難しい。だからこそ、反りの研ぎは最初の動きが重要になる。
一つ目のコツは、肘をしっかり上げること。包丁を砥石に置いた時、切っ先は意外と浮いている。そこで肘を上げ、反りから上の部分が砥石に当たる角度を作る。柳刃や牛刀のようにカーブが緩やかな包丁であれば、この動きだけでもかなり対応できる。
しかし、出刃包丁のように切っ先のカーブが急なものは、それだけでは難しい。
そこで二つ目のコツは、包丁の角度をいつもの四十五度から少し変え、砥石と並行に近づける感覚で研ぐことだ。こうすることで、当たりにくいしのぎ側へ力が入りやすくなり、切っ先の形を保ちやすくなる。
三つ目は、押す動きだけでなく、引く時に力を入れること。通常の研ぎでは押す時に力をかけるが、反りの部分では手首の構造上、押すほど刃先側ばかりが当たりやすくなる。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=sEngf7y-fkM,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]