その瞬間、私は思わず車間距離を広げた。
「え……大丈夫なのか、このトラック……」
前を走る1台のトラック。
荷台には大量の資材が積まれていた。
しかし、問題は荷物の量だけではなかった。
高く積み上げられた板。
不規則に重なった足場のような部材。
そして、走行中に揺れているように見える荷物。
運転していた私は、思わず目を疑った。
場所は福岡県内の道路。
周囲には山もあり、決して広い道ではなかった。
前方のトラックは普通に走っている。
でも、後ろから見ると不安になる光景だった。
「もし落ちてきたら……」
そんな考えが頭をよぎった。
もちろん、実際にはしっかり固定されている可能性もある。
運転手や業者にも事情があるのかもしれない。
でも、道路を共有する側から見ると、恐怖を感じるのは当然だった。
私はすぐに車間距離を取った。
無理に追い越そうとは思わなかった。
何かあってからでは遅い。
後続車にも危険が及ぶ可能性がある。
そして信号待ちのタイミングで、状況を確認するため写真を撮った。
荷物の高さ。
積み方。
固定されている様子。
記録として残した。
その後、私は考えた。
「これは警察に連絡するべきなのか」
ただの心配しすぎなのか。
それとも本当に危険な状態なのか。
判断は難しい。
しかし、道路上では一瞬の判断ミスが大きな事故につながる。
特にトラックの積載物は、運転手だけではなく、周囲の車にも影響する。
以前、私は高速道路で落下物による事故のニュースを見たことがある。
前方の車から何かが落ちる。
避けようとして事故になる。
後ろを走る人には防ぐことができない危険もある。
だからこそ、荷物を運ぶ側には大きな責任があると思う。
しばらく走った後、そのトラックとは別の道になった。
何事も起きなかったことに、正直ほっとした。
でも、あの姿は今でも忘れられない。
「大丈夫だろう」
という小さな油断が、道路では大きな危険になることがある。
後日、この写真を見返して改めて思った。
問題は、
「積んでいた荷物が多かったこと」
だけではない。
周囲の人が見て、
「怖い」
と感じる状態だったこと。
それ自体が、見直すきっかけになるべきなのだと思う。
トラックの運転手は、毎日大量の荷物を運んでいる。
社会に欠かせない仕事だ。
だからこそ、運ぶ人の安全。
そして周りを走る人の安心。
両方が守られてほしい。
あの日、前を走っていた1台のトラック。
私はただ驚いただけだった。
でも、写真に残したことで気づいた。
道路では、誰もが少しの注意で誰かの命を守れるのだと。