七月の太陽は、千葉県・習志野駐屯地のアスファルトを容赦なく焼き尽くしていた。
蜃気楼のように揺れる熱気の中、正門前には一組の中年夫婦が立っている。
男の名は鬼頭剛。
元・特殊作戦群出身、今なお“伝説”と呼ばれる陸将補。
その隣に立つ女性は鬼頭静夏。
海上自衛隊特殊部隊出身、現役の海将補。
そして彼らの息子・拓哉は、この駐屯地に所属する一人の若き自衛官だった。
しかし――その再会は、あまりにも理不尽な形で拒絶されることになる。
「面会受付は終了しました」
正門の衛兵所から投げ捨てられたその一言は、真夏の熱気よりも冷たかった。
若い衛兵・相馬陸士長は腕を組み、鬼頭夫妻を見下ろしていた。
その態度には明確な侮蔑と優越感が混じっている。
「おっちゃん、もう終わりっすよ。規則なんで」
彼は唾を吐き捨てるように言った。
だが、鬼頭剛は動かなかった。
ただ腕時計を見つめる。
「まだ四時五十五分だ。規則上は、五分残っているはずだが?」
その声は低く、静かで、しかし地面の奥から響くような圧を持っていた。
だが相馬は鼻で笑った。
「ここは自衛隊なんで。民間の時計基準じゃ動いてないんですよ」
その瞬間、空気が一段冷えた。
だが本当の異変は、その隣にいた妻の一言から始まる。
「規則では17時まで受付可能、そう理解していますが」
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=OjkNmqi1xco,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]