「皆様、本日は私の社長就任パーティーにお集まりいただき、誠にありがとうございます」
東京都内にある五つ星ホテル。その中でも最大級の宴会場は、五百人を超える社員や取引先関係者の熱気に包まれていた。
今日はグランドトレーディング創立三十周年記念式典。そして、夫・拓哉が新社長へ就任する晴れ舞台の日だった。
私は妻として、二十五年間、彼の隣で歩んできた。
拓哉がまだ無名の平社員だった頃、毎日泥だらけになりながら営業に走り回る姿を見ていた。私はパートで家計を支え、彼が仕事に集中できるよう、生活のすべてを支えてきた。
彼が部長になった時も、役員になった時も、そして社長の座を手にした時も、私は心から喜んだ。
「あなたなら、きっと立派な人になる」
そう信じていた。
しかし、その日の拓哉は、かつて私が愛した男性とは別人だった。
会場の隅に座らされた私は、主賓の妻でありながら、誰にも紹介されることなく放置されていた。
その一方で、拓哉の隣には二十代半ばの女性秘書・マリナが寄り添っていた。
やがて司会者が告げる。
「それでは、新社長より皆様へ重大な発表がございます」
照明が落ち、壇上にスポットライトが当たる。
大きな拍手の中で現れた拓哉は、なぜかマリナの手を取り、自分の隣へ立たせた。
会場がざわめく。
「奥様はあちらにいるのに……」
「まさか……」
そんな声が広がる中、拓哉は冷たい笑みを浮かべてマイクを握った。
「私の隣にいるマリナこそ、これからの私を支える本当のパートナーです」
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=Q7q890GK818,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]