夕方6時半、京都の路地裏を歩いていると、年季の入った立ち飲み屋を見つけた。
引き戸を開けると、細長い店内には常連らしい客が6人ほど。
私はカウンターの端に立ち、瓶ビールと煮込みを注文した。
料理を待ちながら店内を眺めていると、壁に古びた黄色い貼り紙がある。
縦書きで、こう書かれていた。
「男性から女性への声をかける行為を禁止します」
思わず声に出さず、もう一度読んだ。
たぶん、言いたいことは「ナンパ禁止」なのだろう。
ただし文章をそのまま受け取れば、男性客は女性客に一言も話せない。
「お醤油取ってください」
「そこ、空いてますか」
そんな会話まで禁止になりそうだ。
私と同じことを考えたらしい男性客が、店主に聞いた。
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