「また夜中に話してるだろ!」
「次は管理会社に追い出してもらうからな!」
玄関のドアを開けた瞬間、私は足を止めた。
白い紙が、茶色いテープで乱暴に貼られていた。
これで3枚目だった。
最初の紙には、
「毎晩の話し声で眠れません」
とだけ書かれていた。
2枚目には、
「これ以上続くなら管理会社へ報告します」
そして今回の紙には、ついに「退去」という言葉まで書かれていた。
私は一人暮らしだ。
友人を深夜に呼んだこともない。
恋人を連れ込んだこともない。
確かに、以前は寝る前に電話をすることがあった。
だが、最初の苦情が来てからはイヤホンを使い、通話も夜10時までに切るようにしていた。
それでも紙は貼られ続けた。
数日後、管理会社から電話が来た。
「隣室から、深夜2時ごろまで話し声が続いていると苦情が入っています」
私は思わず聞き返した。
「午前2時ですか?」
その時間、私は毎日寝ている。
仕事のため、朝6時半には起きなければならない。
平日に午前2時まで電話をする余裕などなかった。
「通話履歴を確認してもらっても構いません」
そう説明したが、担当者は面倒そうに答えた。
「音は感じ方に個人差がありますので」
「とにかく夜間の会話は控えてください」
調査もしない。
私の生活時間も確認しない。
苦情を入れた側の話だけを信じ、私を騒音の犯人と決めつけている。
腹が立った。
だが、怒鳴っても証拠にはならない。
私は7日間、すべてを記録することにした。
通話の開始時刻と終了時刻。
室内の音量。
就寝時刻。
起床時刻。
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