「後はお前がちゃんと産めば」
夫のその一言で、私の中で何かが崩れ落ちた。
結婚したのは27歳の時、夫は29歳だった。
夫の職場がある東京へ、私は仕事を辞めて引っ越した。
四国と東京の遠距離恋愛を経ての結婚だったから、周りに知り合いも親戚もいなかった。
せめて都会の生活に慣れるまでの1年は、夫婦2人だけで過ごしたい。
そう思って、私なりに家事を担いながらパートを続けていた。
2年経っても子どもができず、検査を受けると原因は夫にあると分かった。
精子の奇形率が高く、運動率も悪い。
顕微授精を勧められ、高度不妊治療が始まった。
1回目は18個採卵できたが、受精は0だった。
2回目以降は採卵数が5個ほどに減り、それでも受精しない日々が続いた。
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