「料金は353,880円です」
精算機の画面を見た瞬間、私は本気で機械が壊れたのだと思った。
東京へ長期出張することになり、8月21日の朝8時45分、駅近くのコインパーキングに車を停めた。
入口には大きく、
「最大料金あり」
と書かれていた。
私はそれを見て安心した。
1日ごとに最大料金が適用されるなら、28日間停めても数万円程度。
決して安くはないが、仕事の都合で途中取りに来られない以上、仕方がないと思っていた。
そして9月18日15時25分。
ようやく出張を終えて駐車場へ戻り、駐車券を精算機へ入れた。
表示された数字を見て、頭が真っ白になった。
「353,880円……?」
3万5,000円ではない。
35万円だった。
中古の軽自動車なら買えてしまいそうな金額だ。
後ろで待っていた男性まで画面を二度見していた。
私はすぐに精算機横の問い合わせ番号へ電話した。
「すみません、料金がおかしいと思うんですけど」
しかし担当者は落ち着いた声で言った。
「入庫日時は8月21日ですね。計算上、間違いございません」
「でも最大料金って書いてありましたよね?」
すると返ってきたのは、信じられない言葉だった。
「最大料金の適用は最初の一定期間のみです。それ以降は通常料金になります」
そんな説明、見た記憶がない。
私は電話を切らず、入口まで走った。
確かに大きな文字で「最大料金」と書いてある。
ところが、その下。
しゃがみ込んで近づかなければ読みにくい位置に、小さな注意書きがあった。
「最大料金は繰り返し適用されません」
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