「え、これ全部100円札なの?」
祖母の家を片づけていた時だった。
押し入れの奥から、古びた紙の包みが出てきた。
透明のビニールと茶色いテープで何重にも巻かれ、
さらに赤い帯まで付いている。
最初は何かの書類だと思った。
でも、端から見えていたのは、
明らかに紙幣。
しかも今のお札ではない。
「これ、昔の100円札じゃない?」
恐る恐る持ち上げると、
ずっしり重い。
よく見ると、
板垣退助が描かれた100円札だった。
しかも1枚、2枚という話ではない。
束。
それも未開封らしき状態の束が、まとめて10束。
家族全員、一瞬黙った。
「待って、これそのまま100円×何枚あるの?」
数えてみたくなった。
でも、ここで誰かが言った。
「開けない方がいいんじゃない?」
確かにそうだ。
もし古い紙幣として価値があるなら、
帯や包装が残っている状態の方が意味があるかもしれない。
そこで私たちは、その場では開封せず、
まず写真だけ撮ることにした。
帯には古い印字。
束の端には、
今ではほとんど見かけない100円札のデザイン。
祖母に聞いてみた。
すると、
「ああ、それまだあったの?」
と驚くほど普通の反応。
昔、少しずつ取っておいたものらしい。
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