娘が22歳の時、突然「婚約者を家に連れて来る」と言ってきました。その時、私たち夫婦は正直不安でした。「まだ早いんじゃないか?」と。でも、いざその婚約者が現れた瞬間、私たちの不安は衝撃に変わりました。彼の年齢は47歳。私たち夫婦とわずか3歳しか変わらないではありませんか。
今時、年の差なんてどうでもいいと思い、自分たちを言い聞かせましたが、彼の職業や将来の計画を聞くと、どうしても不安が募りました。
「今は飲食店の契約社員だけど、将来は自分の店を持ちたい」という夢は大切だけれど、現実的には不安しか感じませんでした。そして、手土産も持ってこないことに、私たちは少なからず不快感を覚えました。別に手土産がいらないと言われても、口に出されるとやっぱり印象が良くありません。
当然、私たちは結婚に反対しましたが、娘は「愛に年齢なんて関係ない」と耳を貸しません。私たちが「年の差が大きいと、将来、あなたが彼の介護をすることになるのよ」と言っても、「そんなの覚悟の上だ」と、彼女は聞く耳を持ちませんでした。その時、私たちはある条件を出しました。「もし結婚するなら、介護が現実的な問題になるから、1ヶ月間おじいさんの介護をしてみなさい。
その結果次第で結婚を認める」と。
最初はすぐに諦めると思っていましたが、娘は嫌がりながらも仕事と介護を1ヶ月間やりきりました。その姿を見て、私たちもさすがに何も言えなくなり、結婚を認めることにしました。そして、婚約者の母親が挨拶に来た際、彼女が言った一言で、すべてが変わりました。
「これで息子と私の面倒を見てくれる人ができた」とその母親が言った瞬間、娘の顔が凍りつきました。
その瞬間、娘は自分の人生が介護に縛られることを悟ったのです。そして、彼女は決断しました。
「結婚はやめます」と、静かに宣言したのです。婚約者は怒り、「婚約破棄だ!」と叫びましたが、私たちの夫は冷静にこう言いました。「慰謝料は払います。娘の未来のためですから、どうぞお引き取りください。」