「はあ!?20日も出勤して……これだけ!?」
給料明細を見た瞬間。
私は思わず声を上げた。
振込額の欄に書かれていた数字。
108,871円。
一瞬、何かの間違いだと思った。
私はこの1か月。
休みの日も店に出た。
朝から晩まで立ちっぱなしで接客した。
お客様の相談に乗って。
売上目標を追いかけて。
新商品の説明も誰よりも覚えた。
それなのに。
20日間働いた結果が。
この金額だった。
私はアパレルの仕事が好きだった。
服を選んでいるお客様の笑顔を見るのが好きだった。
「あなたに選んでもらって良かった」
そう言われる瞬間が嬉しかった。
だから。
多少の残業も我慢した。
休憩時間を削ることもあった。
人手不足の日は率先して出勤した。
店のためだと思っていた。
でも。
給与明細を見るたびに。
胸の奥に小さな疑問が積み重なっていった。
「私の頑張りって……この程度なの?」
ある日。
私は店長に聞いた。
「この給与計算、本当に合っていますか?」
すると店長はスマホを見ながら笑った。
「何が?」
「新人じゃないんだから、そんなこと気にする?」
私は言葉を失った。
さらに店長は続けた。
「今はアパレル業界も厳しいんだよ」
「不満なら辞めてもいいんじゃない?」
その瞬間。
何かが切れた。
私はこれまで。
会社のために我慢してきた。
売上が足りない日は残った。
スタッフが休んだ日は穴を埋めた。
新人が困っていたら教えた。
でも。
店長は。
私たちの努力を当然だと思っていた。
私はすぐに辞めることを考えた。
でも。
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