夕方6時、帰宅した私は自宅の壁に貼られた紙を見て足を止めた。
インターホンのすぐ横に、手書きでこうある。
「家の前でたむろしたらハンマーで殴ります」
赤い文字の部分だけ、遠くからでも読めた。
「これ、誰が貼ったの?」
玄関を開けると、父が「俺だよ」と答えた。
「冗談でも『殴ります』はだめでしょ」
「じゃあ、どうしたらいい」
父の口調は荒くなかった。ただ、疲れた顔をしていた。
話を聞くと、数日前から夜になると家の前に人が集まるようになったという。
外から声が聞こえることは私も知っていた。
でも、仕事から戻るころには誰もおらず、父が何度も注意していたとは知らなかった。
「昨日は門の前に座られて、出るときに『少しどいてください』って言ったんだ」
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