俺は中学時代、大した特徴もなく孤立し、嫌がらせを受けていた。高校には進学せず、そのまま社会に出た過去がある。幼馴染みの誠子に誘われて出席した同窓会で、俺が一番会いたくなかった相手に会った。中学時代、俺を目の敵にしていたヤクザの組長の息子・山形集吾だ。
「相変わらず臆病者だな」
「中卒はどうせ無職だろ」
山形は俺の返答を勝手に無職だと決めつけ、周囲に自慢げに自分の年収を語った。俺は金に執着がなく、聞き流していた。それが気に入らなかったのか、山形は最後にこう言った。
「俺の組に入るか?ひ弱には無理か」
「ああ、それなら是非紹介してくれ」
俺がそう答えると、山形は驚きながらも翌日、組事務所へ来いと言い残した。
翌日、俺はスーツを着て指定の場所へ向かった。事務所に入ると、幹部たちが一斉に列をなし、深々と最敬礼をした。
だが敬礼していたのは山形にではなく、俺にだった。
「なんでお前の一声で幹部たちがいなくなっちまったんだ」
山形が混乱する中、奥から急いで出てきたのは組長である山形の父だった。息子の態度に気づいた父は、その場で息子の頭を一発叩いた。
「この方は本家の若頭、牛島さんだ」
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください