10年通っている美容室の予約表に、私の名前だけがなかった。
「本日のご予約、確認できないのですが」
受付の若いスタッフは、パソコン画面を見ながら申し訳なさそうに言った。
「そんなはずないです。先週、電話で予約したので」
私は思わず声を強めた。
週末は特に混み合う店で、予約なしでは何時間も待つことになる。
「お名前、もう一度よろしいですか」
スタッフは何度も画面をスクロールしていたが、私の名前は見当たらないようだった。
「困ります。今日はこの後、用事もあるので」
スタッフはおろおろしながら、奥にいる店長を呼びに行った。
しばらくして出てきたのは、10年前からずっと担当してくれているベテラン美容師だった。
「大変失礼しました。少し確認させてください」
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