「毎日なんだかイライラする……でも、何にイライラしているのか分からない」
朝起きてカーテンを開けると、いつも通りの空が広がっている。なのに胸の奥に重い鉛が沈むような感覚があった。顔を洗って鏡を見ても、表情は晴れず、むしろ昨日よりも疲れた目をしている自分に気づく。
会社に向かう道も、通勤電車も、すべてが妙に息苦しい。隣の人が小さな音を立てるたび、無意味に眉をひそめてしまう。
メールの通知が来ても開く気になれない。内容が何であれ、読むのが億劫で仕方ない。頭の中には、漠然とした焦燥感と苛立ちだけが渦巻いていた。
昼になっても気持ちは晴れず、ランチの時間も箸が進まない。隣の席の同僚の笑い声に苛立ち、ふと自分がなぜこんなにイライラしているのかを考えてみる。けれど答えは出ない。何が原因なのかが分からないのに、心だけが勝手に敏感に反応する。周りの人間の動きがすべて敵に見える。無意識のうちに、私は自分を追い詰めていた。
その夜、家に帰ると冷蔵庫を開ける手も重く、スマホを持つ指先は緊張で震えている。ニュースを見ても、SNSを見ても、情報の洪水に押し潰されそうで、結局すぐに画面を閉じた。
ベッドに横になっても、思考は止まらず、昨日の自分の小さな失敗や、誰かに言われた些細な一言を次々と思い返す。小さな不満や後悔が積もり積もって、胸の中で暴れまわる。
「何でこんなにイライラするんだろう……」
ふと、自分の財布を見たとき、ハッとした。今月の残高がほとんどなく、支払いをどうやってやりくりするか考えていたことを思い出す。
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