「あいつは無理だ」
その言葉は、学校中の教師たちが何度も口にしてきたものだった。
彼女――折江のぞみは、誰もが手を焼く問題児だった。
授業中はスマホを触り、遅刻は日常茶飯事。提出物は出さない。テストの結果は一年生の頃からずっと赤点続き。二年生になってからも状況は変わらず、成績表はまるで赤い文字で埋め尽くされた警告書のようだった。
「このままじゃ、三年生に進級できないよ」
そう伝えても、のぞみはいつものように肩をすくめるだけだった。
「別にいいよ。卒業できなくても困らないし」
その言葉を聞くたび、教師たちはため息をついた。
この学校は、熱意を持った教師が多いことで有名だった。問題を抱えた生徒にも真正面から向き合い、何人もの生徒を立ち直らせてきた実績がある。
しかし、のぞみだけは違った。
どれだけ声をかけても、どれだけ補習をしても、彼女の心には届かない。
「藤崎先生、もう無理ですよ」
教頭までそう告げた。
「今まで多くの先生が彼女のために努力しました。しかし、変わらなかった。君まで無理をする必要はありません」
それでも、若手教師の藤崎いつきは首を横に振った。
「僕は諦めません」
「なぜそこまで?」
「彼女は大切な生徒だからです」
その一言に、周囲は驚いた。
誰もが見放しかけた少女を、たった一人だけ信じ続ける教師がいた。
放課後の教室。
いつきは毎日のように、のぞみのためだけに問題を作った。
だが、最初の頃は答案用紙に書かれる文字はほとんどなかった。
「先生、こんなことしても無駄だよ」
「無駄かどうかを決めるのは、君じゃない」
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=VqkLn7fCnLw,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]