俺の名前は哲。企業のオフィス環境を支える法人営業マンだ。
学歴は中卒。
そんな俺を十年前、一から育ててくれたのが、先代社長だった。
右も左も分からなかった俺に営業の基本を教え、何度断られても客先へ通うことの大切さを教えてくれた。俺はその教えを守り続けた。
その結果、今季も全社営業成績一位。
ところが、二代目社長に就任した息子は、俺の実績を見ても喜ぶどころか、冷たい目を向けてきた。
「哲君、昨日定時で帰ったそうだね」
「はい。仕事は全部終わらせましたので」
「若手が残っているのに、先輩が先に帰るのはどうなんだ?」
「必要なら手伝います。ただ、彼らにも自分のペースがありますから」
社長は鼻で笑った。
「これだから現場上がりは困る」
そして続けた。
「今期も営業トップだって? まるで自分の実力みたいに思ってないか?」
俺は黙って聞いた。
「会社の看板、先代からの取引先、顧客データ。全部会社の仕組みのおかげだろう」
「もちろん会社の土台があってこその結果です。でも、お客様との信頼関係もあります」
「数字で説明できないものに逃げるのは無能の特徴だ。優秀な会社は仕組みで回る。人間なんて部品だ。
営業マンの代わりはいくらでもいる」
その言葉を聞いた直後、俺は来週から取得予定の有給休暇について伝えた。
先月申請し、すでに承認されていた休暇だ。
すると社長は露骨に不機嫌になった。
「こんな大事な時期に休むのか?」
「引き継ぎ資料も作成済みです」
「俺なんか社長になってから一日も休んでないぞ。みんな我慢して働いているんだ」
「それは社長ご自身が決めたことでは?」
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=aZDaTDSLpwc,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]