「……あれ? おかしいな」
正月の夜、夫の正樹が財布を開いたまま首をかしげていた。
「どうしたの?」
私が声をかけると、正樹は困ったような顔で財布の中を何度も確認した。
「確かに二万円入れていたはずなのに、なくなってるんだ」
「でも、年末から仕事は休みだったよね? 使った覚えもないんでしょ?」
「そうなんだよ。ずっと家にいたし……」
その時は、どこかで落としたのだと思っていた。
しかし翌年の正月、また同じことが起きた。
財布からお金が消えている。
しかも、決まって正月だけ。
私は西崎春香、33歳。
夫の正樹とは結婚して5年になり、三歳になる娘・カホと三人で暮らしている。
私たちは夫の両親と同居していた。
最初は義両親との生活に不安もあったが、実際に暮らしてみると、その心配はすぐになくなった。
義父母は本当に優しい人たちだった。
古かった家も、私たち家族が暮らしやすいようにと、風呂場やキッチン、和室まで順番にリフォームしてくれた。
「お父さん、お母さん。本当にありがとうございます。カホものびのび育てられます」
私がお礼を言うと、義母は笑顔で首を振った。
「そんなこと気にしなくていいのよ。私たちも綺麗な家に住みたかっただけだから」
誕生日にはプレゼントを用意してくれたり、家族で食事に連れて行ってくれたり。
私は本当に恵まれていると思っていた。
だからこそ、何か恩返しをしたいと思い、家族旅行を計画していた。
しかし、その矢先だった。
「今年の正月、兄さん夫婦が帰ってくるらしい」
正樹から聞いた時、私は少し複雑な気持ちになった。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=O6JGMUGWu6E,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]