ある日、私は自宅の庭で静かに過ごしていた。ふと気づくと、庭の前を一台の車が猛スピードで通り抜けていった。その車は隣の道路へと抜けていき、私有地を通り抜ける道を選んでいた。最初は驚きつつも、まさかと思い、すぐには気に留めなかった。しかし、翌日、そしてその翌日も、同じ車が同じようにスピードを上げて庭の前を通り抜けていく。しかも、その車の色やナンバーに見覚えがあり、通勤時間帯に毎日必ず通っていることに気づいた。

その車が通るたびに、私は危険を感じた。スピードを出して通る車が庭のすぐ横を通り抜け、砂利道を削っていく。庭で遊んでいる子供たちの安全も心配だ。これではいけないと思い、私は私有地であることを示すために「通り抜け禁止」の看板を立てることにした。だが、効果はほとんどなかった。その男は看板を無視し、堂々と車を走らせていくのだった。

ある日、男の車が家の近くで止まっていた。私はついに我慢できなくなり、声をかけることにした。

「すみません、ここは私有地なんで通らないでもらえますか？」

男は面倒くさそうに顔をしかめて、こう言った。

「別に何も損してねえだろ、いちいちうるせえんだ。」

その言葉に私は唖然とした。自分の敷地を無断で通行するという無礼な態度に、怒りが湧いてきた。しかし、どうにも話が通じないため、私は警察に相談することにした。だが、警察からは「民事不介入なので現行犯でないと対応できません」と言われ、結局その場では何もできなかった。

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