最初は小さな違和感から始まりました。私、恵子は、洗い物をしているとき、後ろでテレビを見ながら笑っている夫の声が遠くから聞こえてきました。まるで分厚いガラスで仕切られているかのようでした。子供が生まれてから三年、平日の昼間は保育園に預けています。生活はすっかり家庭に浸透し、夫は仕事に精を出してくれています。それでも時折、心の中にポッカリと開いた空洞のような感覚が広がることが増えてきました。
名前で呼ばれることは減り、会話も業務連絡のようなものばかりです。「何時ごろに帰る」とか「明日の朝は何時に起きる」。そんな言葉を繰り返す日々で、私は次第に母親という役割にとけ込んでいき、女性としての自分が薄れていくのを感じていました。
SNSを開けば誰かのキラキラした日常や、夫婦のデート写真が目に飛び込んできます。それを見たくないと思いつつ、つい見てしまい、比較して落ち込むのもわかっていました。
ある日、インスタグラムを見ていると、偶然にも昔の同級生のアカウントを見つけました。特別親しいわけではありませんでしたが、彼が投稿する日常風景や言葉が不思議と心に引っかかりました。
夜、子供が寝た後、彼の写真を見ることが私にとっての癒しの時間になっていました。
最初は「いいね」を押すだけでしたが、ある投稿にコメントをしたことでDMが始まり、そこから会話が生まれました。
夫には言えませんが、誰にも「ありがとう」と言われなかったり、頑張っているのに空回りしていると感じることを、彼は「それはおかしくないよ」と肯定してくれました。そのとき初めて、自分が満たされていないことを自覚しました。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=nk283m3X1N0,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]