5月3日、憲法記念日。東京・有明防災公園には、主催者発表でおよそ5万人が集まった。会場には「憲法を守れ」「9条改悪を許さない」と書かれたプラカードが並び、社民党の福島みずほ氏をはじめ、複数の野党関係者が壇上から訴えを行った。会場の空気は穏やかな祝日の集まりというより、むしろ「今ここで止めなければならない」という強い危機感に包まれていた。
その同じ日、別の場所では改憲を求める集会も開かれていた。そこで注目を集めたのが、高市早苗首相の発言である。高市氏は「国際情勢、安全保障環境、技術革新、人口動態は79年前と全く異なる」とし、憲法は時代に合わせて「定期的な更新」が図られるべきだと述べた。さらに4月の自民党大会でも、憲法改正の発議について「めどが立ったと言える状態で来年の党大会を迎えたい」と意欲を示している。
しかし、元朝日新聞記者の佐藤章氏が強く指摘するのは、まさにこの「言葉の軽さ」だった。国際情勢が変わった。技術が進んだ。人口構造が変化した。確かにそれ自体は事実だろう。だが問題は、だから憲法のどの条文を、どう変えなければならないのかという説明が抜け落ちていることだ。
たとえばAIが発達したなら、必要なのは個人情報保護や産業政策の見直しである。少子高齢化が進んだなら、求められるのは社会保障制度や労働政策の改革である。そこから直ちに「憲法9条を変えるべきだ」という結論には飛べない。佐藤氏が「雰囲気だけで改憲を語っている」と批判する理由はここにある。
そもそも憲法は、政権が都合よく更新する政策パンフレットではない。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=77hN73XEwqs,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]