息子に迷惑をかけない。
それが、かず子が長年自分に課してきたルールでした。
結婚した息子は、新幹線で3時間ほど離れた町で暮らしています。
共働きで子どももいる。
だから電話は必要な時だけ。
体調が悪くても、寂しくても、
「向こうには向こうの生活がある」
と自分に言い聞かせてきました。
そんな日常が崩れたのは、ある雨の日でした。
夫が玄関先で足を滑らせ、股関節を骨折。
手術と入院が必要になったのです。
病院の手続き、洗濯物、医師からの説明、退院後の準備。
すべてを1人で抱えるうち、かず子の体にも限界が近づいていました。
そこで息子に、
「週末、少し顔を見せてもらえる?」
と頼みました。
しかし返ってきたのは、
「今週末は家族で出かける予定なんだ」
という言葉。
さらに退院後の付き添いについて相談すると、
「そういうのはプロに任せた方がいい」
「母さんが全部抱え込むから大変になるんだよ」
と言われました。
息子の妻から届いた文章は、もっと明確でした。
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