義弟と義妹が家を建てた時、義両親はそれぞれに7000万円もの資金を援助しました。
夫・高一は56歳。
長男である夫には、何もありませんでした。
それだけなら、夫も黙っていたと思います。
親のお金を誰に渡すかは親の自由だからです。
けれど私たち夫婦は、28年間ただ実家に「住まわせてもらっていた」わけではありませんでした。
毎月8万円、年間96万円。
28年間で2688万円。
さらに給湯器の交換、屋根の修繕、義父の店に関する出費、義母の通院にかかる費用まで、さまざまな負担を続けていました。
夫は若い頃、東京本社への転勤を勧められたこがあります。
条件のいい会社から声をかけられたこともありました。
それでも義父は、
「長男が遠くへ行って、この家をどうする」
「親のそばにいるのが当然だ」
と反対しました。
夫は全部諦めました。
私は私で、義母の食事を作り、洗濯をし、病院へ付き添い、親戚付き合いまで引き受けました。
「長男夫婦なんだから」
その一言で、28年間を納得させてきたのです。
そんなある日の夕食。
義父は弟と妹の家の話を嬉しそうにした後、夫へ言いました。
「高一には別に何もないぞ」
「お前はこの家に住んでるんだから十分だろ」
私は思わず確認しました。
「では、将来この家は高一さんに残るんですか?」
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