「この傷、あなたがつけましたよね。免責で5万円になります」
その言葉を聞いた瞬間。
私は車の横で固まった。
楽しかった旅行の帰り。
事故もなかった。
ぶつけた記憶もなかった。
ただ借りた車を、予定通り返しに来ただけだった。
なのに。
最後の最後で。
突然「5万円」という現実を突きつけられた。
その日。
私はレンタカーを借りて出かけていた。
借りる時は特に問題もなかった。
スタッフから車の説明を受けて。
外観を軽く確認して。
そのまま出発した。
運転中も慎重だった。
狭い道ではゆっくり走った。
駐車するときも周囲を確認した。
なぜなら。
借り物の車だから。
絶対に傷をつけたくなかったから。
そして返却の日。
私は時間通り店舗へ向かった。
「ありがとうございました」
そう言って車を渡す。
本来なら、それで終わるはずだった。
でも。
スタッフが車の後ろ側を見た瞬間。
空気が変わった。
「ここですね」
スタッフが指を差した場所。
後ろのバンパーの角。
そこには小さな擦り傷があった。
正直に言うと。
その時の私は。
「え?これ?」
と思った。
本当に小さな傷だった。
遠くから見たら気付かないくらい。
でもスタッフは淡々と言った。
「新しい傷なので、免責で5万円になります」
そして。
すぐに5万円の請求について説明された。
私は頭が追いつかなかった。
「ちょっと待ってください」
「この傷、私がつけたと確認できるんですか?」
そう聞いた。
するとスタッフは。
「返却時に発見された傷なので、お客様のご負担になります」
と答えた。
その瞬間。
胸の奥がモヤモヤした。
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください