国道14号沿いを通るたび、以前から気になっていた家がある。
個人宅なので詳しい場所は伏せるが、その家の前には、通行人が自由に腰掛けられる小さなベンチが置かれている。
公園でも、駅でも、バス停でもない。
家の方が自分の敷地を使い、少し休みたい誰かのために用意してくれているものだ。
私が確認できる範囲でも、このベンチは少なくとも9年以上前から同じ場所にある。
置くだけなら簡単に思えるかもしれない。
しかし屋外のベンチを何年も維持するには、汚れを落としたり、雨風で傷んだ部分を直したり、周囲を掃除したりする必要がある。
それを個人の善意だけで続けている。
だから私は、この家の前を通るたびに「本当に親切な人だな」と思っていた。
ところがある日、そのベンチが捨てられた雑誌などで荒らされていた。
誰でも使える場所だからといって、何を置いてもいいわけではない。
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