「ねえ、春子さん。お願いがあるんだけど」
ある日、ママ友のしおりさんから突然連絡が来た。
普段から少し図々しいところがある人だったが、その時の私はまさか後に大きなトラブルになるとは思っていなかった。
「どうしました?」
そう返信すると、しおりさんは嬉しそうに続けた。
「春子さんのお兄さんって、高級なお寿司屋さん経営してるんだよね?」
「ああ、そうです。小さい店ですけど、職人としてこだわってやっています」
私の兄の店は、いわゆる回転寿司ではない。
カウンター中心の小さな高級寿司店で、素材選びから仕込みまで一切妥協しない店だった。
店内の雰囲気も大切にしていて、スタッフは着物を着用している。
「一人いくらくらいするの?」
「お任せなら二万円くらいですね」
そう答えると、しおりさんは驚いた声を出した。
「そんなにするの?!」
確かに一般的な寿司店と比べれば高いかもしれない。
しかし、職人が一貫一貫握る寿司には、それだけの価値がある。
すると、しおりさんは話を変えた。
「実はね、上の子のママ友たちと送別会をしたいと思っていて……。
せっかくだから高級なお寿司を食べようって話になったの」
転校する家庭があり、最後にみんなで思い出を作りたいということだった。
人数を聞くと十人。
兄の店は十四席ほどしかないため、貸切にすることは可能だった。
ただ、問題は金額だった。
「一人二万円だと、みんな厳しいかもしれない」
しおりさんはそう言い出した。
そこで私は兄に相談することにした。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=KDg48Jd4owE,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]