「おばあちゃんから届いた荷物、誰かに開けられてる」
大学生の息子から送られてきた写真を見て、私は言葉を失った。
母が孫のために詰めたチョコレートの容器は、中身だけがきれいになくなっていた。袋麺の包装にも裂け目があり、ビッグカツは開け口ではない場所から乱暴に破られている。
息子は大学の近くで、同級生3人と共同生活をしていた。荷物は昼過ぎに玄関前へ配達され、息子が講義から戻ったのは18時だったという。
母へ連絡すると、声を震わせながら言った。
「全部、新品を買って入れたのよ。あの子が喜ぶと思って、好きな物ばかり選んだのに……」
母は配送中の盗難を疑い、すぐ宅配会社へ電話しようとした。しかし私は、まず箱と中身を捨てずに保管し、届いた時の状態を写真に残すよう息子へ伝えた。
箱の外側を確認すると、伝票も封をしたテープも破れていない。ところが底面だけ、透明なテープが二重に貼られていた。
翌日、宅配会社の担当者が配達時の記録を調べてくれた。端末には「箱の破損なし」と記載され、玄関前へ置いた際の写真にも、底面のテープは1重しか写っていなかった。
つまり、配達後に誰かが箱の底を開け、中のお菓子を食べてから貼り直した可能性が高い。
息子が同居人たちへ尋ねると、1人が笑いながら言った。
「配送中に破れたんじゃない? お菓子くらいで大げさだよ」
妙に詳しい言い方が気になった息子は、アパートの管理会社へ相談した。玄関前の共用廊下には、防犯カメラが設置されていたからだ。
管理会社の立ち会いで映像を確認すると、荷物が届いてから30分後、その同居人が箱を室内へ運び込んでいた。
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