「え……何これ……」
駐車場に戻った瞬間、私は言葉を失った。
そこにあったのは、変わり果てた愛車の姿だった。
後ろのバンパーは大きくへこみ、
ボディには無数の傷。
右後方部分は見るだけで分かるほど破損していた。
「誰が……こんなことを……」
私は車の周りを何度も確認した。
でも、ワイパーに謝罪の紙はない。
連絡先もない。
目撃者もいない。
ただ、傷ついた車だけが残されていた。
その日は頭の中が真っ白だった。
この車は、家族との思い出が詰まった大切な車だった。
買い物へ行った日。
子どもを乗せて出かけた日。
何気ない毎日を一緒に過ごしてきた。
それなのに、知らない誰かの不注意で、一瞬にして壊されてしまった。
一番つらかったのは、事故そのものではなかった。
「逃げた」という事実だった。
もしぶつけてしまったなら、名乗り出てほしかった。
「すみません」の一言があれば、気持ちは違った。
でも現実は違った。
私は警察へ相談した。
現場を確認してもらい、
周辺の状況も調べてもらった。
しかし、決定的な手がかりは見つからなかった。
そして、さらにショックなことが分かった。
私の車についていたドライブレコーダー。
まさかの故障。
肝心な時に映像が残っていなかった。
「もっと早く確認して交換していれば……」
後悔しても遅かった。
数日間、私は犯人が見つかることを願っていた。
でも時間だけが過ぎていった。
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