「実は、私には専門学校で学んだことがあります」
その一言を聞いた時、私は少し驚いた。
彼は会社で働くベトナム人スタッフだった。
日本語はまだ完璧ではない。
時々、言葉の違いで誤解されることもあった。
でも、彼はいつも真面目だった。
時間を守る。
頼まれた仕事は最後までやる。
分からないことがあれば、必ず確認する。
そんな姿を見ていたから、私は彼のある行動に心を動かされた。
ある日、会社の机の上に1枚の紙が置かれていた。
そこには、少し不慣れな日本語で丁寧に書かれた文章があった。
「実は、私は専門学校で『国際ホテルビジネス』を専攻いたしました」
彼は母国を離れ、日本で働くために努力してきた。
出入国在留管理局から許可されたビザ。
その背景には、学校で学んだ知識や経験を活かして、日本のホテル業務に関わりたいという目標があった。
文章にはこう続いていた。
「技術、人文知識、国際業務のビザが許可されたのは、学校で学んだ接客やサービス知識を活かして、ホテル業務を行うためです」
彼はただ働きに来たのではなかった。
自分が学んできた専門知識を、日本の職場で役立てたいと思っていた。
しかし現実は簡単ではなかった。
最近、外国人労働者のビザ管理は厳しくなっている。
仕事内容が許可された範囲と違えば、本人にも会社にも大きな問題になる可能性がある。
彼は不安を感じながらも、逃げるのではなく、自分の状況を説明するために手紙を書いた。
「最近は入管のビザ管理がとても厳しくなっており、食器洗いや厨房作業は専門外の不法就労になってしまいます」
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