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2か月分の年金9万7277円から保険料4万2600円を引かれ、手取りは5万4677円…通知書を市役所へ持参した私の問いに職員が黙り込んだ
2026/08/18

「振込額は、5万4677円です」

年金振込通知書を見た瞬間、私は何度も数字を確かめた。

本来の年金支払額は、2か月分で9万7277円。

ところが、そこから介護保険料1万7300円、後期高齢者医療保険料2万5300円が差し引かれていた。

手元に残るのは5万4677円。

2で割れば、1か月わずか2万7338円ほどだ。

私は76歳だが、週3日、スーパーの清掃員として働いている。

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腰も膝も痛むが、この収入がなければ家賃と光熱費を払った時点で、食費はほとんど残らない。

それでも働ける私は、まだ恵まれている。

同じ団地に住む79歳の佐藤さんは、足を悪くして仕事を辞めたばかりだった。

ある日、佐藤さんの部屋を訪ねると、冷蔵庫に入っていたのは豆腐1丁と半分残ったキャベツだけ。

「薬代を払ったら、今月はこれで乗り切るしかないの」

佐藤さんは笑っていたが、その手は小さく震えていた。

私は年金通知書と1か月分の領収書を持ち、市役所の相談窓口へ向かった。

ところが最初の職員は、

「保険料は制度で決まっていますから」

と説明するだけだった。

「制度の説明を聞きに来たのではありません。

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この金額で、仕事のできない高齢者がどう暮らすのか聞いているんです」

私は机の上に数字を並べた。

家賃3万8000円。

電気・ガス・水道で約1万2000円。

通院と薬代が7600円。

年金だけでは、食費に回すお金すら残らない。

後ろで話を聞いていた責任者が席を立ち、福祉相談員を呼んだ。

詳しく調べてもらうと、佐藤さんは収入と預貯金の状況から、公的な生活支援を申請できる可能性があると分かった。

さらに医療費や配食サービスについても、利用できる制度が残されていた。

私たちは必要書類をそろえ、何度も窓口へ通った。

数週間後、佐藤さんの支援が正式に決まった。

「今夜は値段を気にせず、魚を買えるよ」

そう言って泣いた佐藤さんの顔を、私は忘れられない。

後日、市が開いた高齢者との意見交換会にも参加した。

ある議員が「各種支援制度は整っています」と話したため、私は年金通知書のコピーを差し出した。

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「では、この2万7338円で1か月暮らす献立を、具体的に教えてください」

会場は静まり返り、議員は数字を見たまま答えられなかった。

その後、市役所には高齢者専用の相談日が設けられ、団地にも案内が配られた。

年金額そのものが増えたわけではない。

けれど、黙って耐えていたら、佐藤さんは今も豆腐とキャベツだけで暮らしていたかもしれない。

高度成長期、日本のために必死で働いた世代が、老後に食事を削る。

それを「制度だから」の一言で終わらせてはいけない。

数字を見せ、声を上げ、助けを求めることは、決して恥ではないのだ。

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