店の入口に貼られていた紙を見たとき、私は最初、翻訳の間違いではないかと思った。
上には日本語で、
「申し訳ありませんが、中国人の観光客の方は入店出来ません」
と書かれていた。
下には翻訳アプリの画面を印刷したような中国語があり、内容も同じだった。
服装や人数についての注意ではない。
大声、持ち込み、無断撮影など、具体的な行為を禁止する文章でもない。
対象として書かれていたのは、「中国人の観光客」そのものだった。
私の前にいた観光客らしい2人も、張り紙を読んで立ち止まっていた。
男性が日本語で店員に尋ねた。
「私たちは入れませんか?」
店員は少し迷ったあと、
「申し訳ありません。現在はお断りしています」
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