向かいの家には、敷地内の駐車場がない。
そのため、以前から車が家の前の道路に停められていた。
しかも場所は、うちの駐車場のほぼ真向かいだった。
道路を完全に塞いでいるわけではないし、車を出せないわけでもない。
だから最初のうちは、私も何も言わなかった。
少し面倒でも、ハンドルを切り返せば車庫へ入れられる。
近所同士で揉めるくらいなら、こちらが我慢した方がいいと思っていた。
しかし、それが毎回となると話は違う。
帰宅するたび、まず向かいに車が停まっているかを確認する。
停まっていれば、車体の角度を細かく調整しながら前進と後退を繰り返す。
一度で入れられるはずの自宅の駐車場へ、何度も切り返さなければならない。
自分の家へ帰ってきただけなのに、向かいの車へぶつけないよう、こちらばかりが神経を使っていた。
それでも私は、なかなか何も言えなかった。
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