スーパーで見つけた1パックのお肉。
ラベルには大きくこう書かれていた。
「国産牛 カレー・シチュー用」
普通なら、
「今日はカレーにしようかな」
「寒いからシチューもいいな」
そう考えるところだと思う。
でも私は、その瞬間に違う料理が頭に浮かんだ。
「……いや、あなたは今日から青椒牛肉絲になるのよ」
思わず心の中で宣言した。
だって、そのお肉をよく見ると、
綺麗なサシが入っていた。
大きめにカットされているだけで、
決してカレー専用の肉ではない。
料理名が書かれているからといって、
その通りに使わなければいけないわけじゃない。
食材の可能性は、
作る人次第で変わる。
私は買い物袋からその牛肉を取り出した。
価格は税込612円。
高級なお肉ではない。
でも、この値段でこの見た目なら、
十分主役になれると思った。
冷蔵庫からピーマンを出す。
細切りにする。
タケノコも準備する。
そして主役の牛肉を切りながら思った。
「カレー用って呼ばれていたけど、今日は中華料理の舞台に立ってもらいます」
下味をつけて、
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