交差点の近くに警察官が大勢立っているのを見たとき、私は何か大きな事故が起きたのだと思った。
道路脇には制服姿の警察官が並び、通過する車へ順番に近づいていた。
しかし、壊れた車も救急車も見当たらない。
「事故じゃなさそうだね」
同乗者と話しながら車列に並んだ。
次に考えたのは、検問だった。
警察官が運転席の窓をのぞき込み、何かを確認しているように見えたからだ。
ところが、私たちの前の車が止まったとき、予想外の物が現れた。
警察官が運転手へ手渡したのは、細長くて白い物だった。
葉まで付いている。
どう見ても大根だった。
「今、大根を渡してなかった?」
「見間違いじゃなければ大根」
事故でも検問でもなく、交差点で警察官が大根を配っている。
状況がまったく理解できないまま、今度は私たちの車の順番になった。
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