美味しいご飯を食べて、友人たちと店を出たのは夜9時過ぎだった。
「いやー、食べた食べた。あとは帰るだけ!」
そんなことを言いながら駐車場へ戻ると、先を歩いていた友人が突然立ち止まった。
「ちょ、待って……あれ何?」
その声につられて横を見る。
そこにあったのは、前方が大きく潰れた白い軽自動車だった。
フロントバンパーは半分外れ、ライト周辺はむき出し。
あちこちがテープで固定され、どう見ても「ちょっと擦った」なんて状態ではない。
一瞬、心臓が止まりそうになった。
なぜなら、その車が私の車と同じ白。
しかも暗い駐車場だったから、遠目には本当に自分の車に見えたのだ。
「え、私の車!?」
私は反射的に走った。
ナンバーを見る。
違う。
車種を見る。
微妙に違う。
それでも不安で、自分の車まで戻ってボディーを1周。
さらにもう1周。
気づけば5周くらい確認していた。
友人には、
「何周するの!」
と笑われたが、こっちは笑えない。
問題はその直後だった。
例の壊れた車の持ち主らしい男性が戻ってきた。
私たちが車を見ていることに気づくと、少しムッとした顔で言った。
「何か?」
私は慌てて、
「すみません。自分の車かと思って驚いてしまって」
と答えた。
すると男性は鼻で笑った。
「これくらい普通に走れますよ」
……え?
友人たちの笑顔が一斉に消えた。
私は仕事柄、駐車場の設備や車両トラブルを見る機会が多い。
だから余計に気になった。
「その状態で走ってきたんですか?」
そう尋ねると、男性は平然と、
「今日ぶつけただけ。
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