夏の甲子園が近づくたび、花巻東高校の名を思い出す人は少なくない。大谷翔平、菊池雄星を輩出した岩手の名門。その歴史の中で、ひときわ小さな体で大きな存在感を放った球児がいた。佐藤涼平くんである。
身長は155センチ。野球選手としては決して恵まれた体格ではなかった。それでも彼は、誰よりも泥くさく、誰よりも全力でグラウンドを駆け抜けた。
打席では簡単に凡退しない。相手投手の球を粘ってファウルにし、何球も投げさせる。守備ではセンターとして俊足を生かし、体いっぱいを使って白球を追った。その姿は、甲子園を見つめる多くのファンの胸に強く焼きついた。
佐藤くんは、幼い頃から決して順風満帆な人生を歩んできたわけではない。生まれつき体が弱く、幼少期には病と向き合う日々もあった。それでも運動が好きで、父の影響もあり小学3年生の春に野球を始めた。成長とともに体調は安定し、中学時代には選抜チームに選ばれるほどの選手へと成長していく。
しかし、その大切な父は42歳の若さで亡くなった。野球を始めるきっかけをくれた父を失った悲しみは、彼の胸に深く残ったはずだ。
それでも佐藤くんは歩みを止めなかった。岩手の強豪・花巻東高校へ進学し、1年秋からベンチ入り。2年秋には二番センターとしてレギュラーをつかんだ。奇しくも、それは父が高校球児だった頃と同じ打順、同じポジションだったという。
2009年春の甲子園。花巻東は岩手県勢初の優勝には届かなかったものの、準優勝という快挙を成し遂げた。その中心に、菊池雄星とともに戦う佐藤くんの姿があった。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=5FtEogkDcVs,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]