最初は、いつもの通知だと思った。
ポストに入っていた、少し折れた一枚の紙。
何気なく開いた瞬間、手が止まった。
「出頭してください」
日付は、8月3日。
受付時間。
場所。
持参するもの。
細かく指定されていた。
そして下には、赤い枠でこう書かれていた。
「正当な理由がなく出頭されないときは、逮捕状が発せられる場合があります」
その一文を見た瞬間、背中が冷たくなった。
逮捕状。
そこまでの話なのか。
私は何か重大な事故を起こしたわけではない。
誰かをけがさせたわけでもない。
今回の発端は、交通違反とされた一件だった。
その場では、警察官から説明を受けた。
だが、どうしても納得できない部分があった。
私が記憶している状況と、警察官の説明が一致しなかったからだ。
「ここにサインしてください」
そう言われた時も、私はすぐには応じなかった。
「事実関係を確認させてください」
そう伝えた。
すると、相手の表情が少し変わった。
「拒否するということですか?」
拒否。
その言葉だけを強く言われた。
でも、私は違反から逃げたいわけではなかった。
本当に自分が違反したなら、責任は取る。
ただ、納得していない内容に、その場の空気だけで署名したくなかった。
それだけだった。
家に帰ると、家族には言われた。
「もう払って終わらせたら?」
「時間の方がもったいないよ」
「裁判になったら面倒でしょ」
確かにそうかもしれない。
反則金を払えば、少なくとも早く終わる。
仕事を休んで出頭する必要もないかもしれない。
何度も説明をする必要もない。
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