従弟の腕と脚に異変が出たのは、学校へ行く準備をしていた朝だった。
制服へ着替えようと長袖を脱いだ瞬間、母親が声を上げた。
「何、その腕!」
肘から手首にかけて、赤い膨らみが何個も浮かんでいた。
太ももや膝の周囲にも同じような腫れが広がっている。
一つ一つは虫刺されのようにも見えた。
しかし数が多く、隣同士がつながって大きな地図のようになっている場所もあった。
「かゆいの?」
尋ねると、従弟は腕をかきながらうなずいた。
「少し。でも昨日は何もなかった」
家族は、寝具にダニでもいたのではないかと考えた。
布団を干し、シーツを洗い、部屋へ掃除機をかけた。
ところが昼になると、朝に目立っていた腫れは薄くなった。
安心した直後、今度は肩と反対側の脚へ新しい膨らみが現れた。
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