「たった2か月で24,605円だぞ!」
父が水道料金の通知を、テーブルに叩きつけた。
使用水量は69立方メートル。
父と母だけで暮らしていた頃には、見たこともない数字らしい。
一時的に実家へ戻っていた私と、1歳と2歳の子どもたちは、当然のように犯人扱いされた。
「毎日、好き放題に水を使ってるんだろ」
父は私をにらんだ。
母までため息をついた。
「子どもがいると、仕方ないのかもしれないけどねえ」
私はすぐに説明した。
子どもたちとのシャワーは、3人合わせても10分以内。
湯船のお湯も、家族全員で同じものを使っている。
洗濯は1日3回だが、幼い子どもがいれば、食べこぼしや着替えが増えるのは当然だった。
それでも父は聞く耳を持たなかった。
親戚のグループチャットにまで、
「娘が子ども2人を連れて戻ってきてから、水道代が大変だ」
と書き込んだ。
さらに父は、洗濯機の使用を1日1回までに制限した。
母は私に何も言わず、給湯器の電源まで切った。
その日、子どもたちは浴室で冷たい水を浴びて泣いた。
私は濡れた子どもを抱きながら、悔しさで手が震えた。
けれど、その場で怒鳴り返すことはしなかった。
数字で証明しようと決めた。
その日の夜11時。
私は家中の水を止めた。
台所も洗面所も浴室も、蛇口が完全に閉まっていることを確認した。
洗濯機も動いていない。
トイレも誰にも使わないよう頼んだ。
そしてスマートフォンを持って、水道メーターの前へ向かった。
最初の数字を撮影し、小さなパイロット部分に印をつけた。
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